トライバルタトゥーとは

日本における入れ墨

先述のアイヌや沖縄の人びとの間で見られた入れ墨の習慣は、縄文時代に起源がある日本のトライバルタトゥーと言えるものです。
弥生時代から奈良時代の少し前くらいまでは、身分の上下をあらわすものや、鳥の飼育係など職能をあらわすものとして入れ墨の習慣は残りますが、時代が下るとあまり一般的ではなくなります。トライバルタトゥーと呼べる正確のものは、ほとんど消滅します。
近世以降の日本では、江戸時代に刑罰や罪人の目印として彫ったものや、いわゆる「渡世人」のようなアウトロー的存在が彫ったものが行われていました。
そのように、過去において刑罰や罪人の目印として、あるいはアウトロー的存在が彫ったものであることが影響していると思われますが、
現在の日本ではタトゥーや入れ墨にはネガティブなイメージがともなうことは事実です。
そのため、身体にタトゥーを入れていることで不利益を被るケースが多々あります。
よく知られているように、多くのプールや銭湯、温泉などでは入場を断られます。
また、多くのスポーツクラブ、ジムなどでも入会を断られます。
結婚や就職に不利になることもあります。面接で、ごく小さなものでもタトゥーがあると確認された時点で「お帰りください」と言われることがあります。
医療や健康の面でも不利益があります。
まず、施術の際にB型C型肝炎ウィルスに感染するリスクがあります。
また、病院でタトゥーをした部位に近い箇所にMRI検査を受けることができなくなります。
医療保険の契約を断られることもあります。保険業界では、「タトゥーをしている人は疾病リスクが高い」と考えられています。
タトゥーをしている事実を隠して契約しても、明らかになれば保険金が下りません。